「矯正を始めたんだけど、何を食べたらいいかわからない…」「装置をつけた直後で痛くて食事がツラい…」歯列矯正を経験した方なら、誰もが一度は通る悩みではないでしょうか。
特に装置をつけた直後や調整日の後は痛みが出やすく、普段通りの食事が難しくなることがあります。しかし、食べ方や調理法を工夫すれば、矯正中でもバラエティ豊かな食事を楽しむことは十分に可能です。
この記事では、矯正中に食べやすいおすすめ食品、避けたほうがいい食べ物、装置の種類ごとの注意点、そして栄養不足を防ぐコツまで、矯正中の食事に関する情報をまるごとまとめました。これから矯正を始める方も、すでに矯正中で食事に困っている方も、ぜひ参考にしてみてください。

矯正中に食べやすいおすすめ食品
痛みが強いとき(装着直後・調整日後)
装置をつけた直後や調整日の後は、歯に力がかかっている状態のため噛むときに痛みを感じやすくなります。この時期はできるだけ噛まずに食べられるメニューを選ぶのがポイントです。
- おかゆ・雑炊:噛まずに食べられる定番メニュー。出汁や卵を加えると栄養価もアップ
- うどん(柔らかめに茹でる):つるっとした食感で食べやすい
- 豆腐・茶碗蒸し:ほぼ噛まずに食べられて、タンパク質も摂れる
- ヨーグルト・プリン:デザート感覚で手軽に栄養補給できる
- スープ・ポタージュ:具材を細かく切ったりミキサーにかけたりすれば栄養もバッチリ
- バナナ:柔らかくてビタミンも豊富。手軽に食べられるのも嬉しい
- スムージー:噛まずに栄養を摂れる最強メニュー。野菜と果物をミックスすれば一杯で多くの栄養素を補える
- 卵料理(スクランブルエッグ・温泉卵):タンパク質の補給に最適
痛みが落ち着いてきたら
調整から数日経って痛みが和らいできたら、徐々に通常の食事に近づけていきましょう。柔らかく調理したメニューがおすすめです。
- 煮物(大根・かぼちゃなど柔らかい野菜):じっくり煮ることで噛みやすくなる
- 魚の煮付け:ほぐれやすく食べやすい。DHA・EPAなどの栄養素も豊富
- ハンバーグ:ひき肉なので噛みやすい。豆腐ハンバーグにするとさらにソフト
- パスタ:柔らかめに茹でればストレスなく食べられる
- オムレツ・卵とじ:卵料理は矯正中の強い味方
- マッシュポテト:滑らかな食感で食べやすい
- リゾット:ご飯が柔らかくて、チーズでタンパク質も摂れる

矯正中に避けたほうがいい食べ物
硬いもの(装置が壊れるリスク)
- せんべい・おかき:ブラケットが外れる原因として最も多い食品の一つ
- ナッツ類:硬くて装置にダメージを与えやすい
- フランスパン:前歯で噛みちぎる食べ方は特にNG
- りんごの丸かじり:小さくカットして奥歯で食べればOK
- とうもろこし(かぶりつき):実だけ削いで食べるようにする
- 氷:噛む癖がある方は特に注意が必要
くっつくもの(装置に絡まるリスク)
- キャラメル・ソフトキャンディ:ブラケットにくっついて外れてしまうことがある
- ガム:装置に絡まって取れなくなるリスクがある
- 餅:柔らかいけれど粘着力が強く、装置にくっつく
- グミ:特に硬いグミは避けたほうが無難
挟まりやすいもの
- えのき・もやし:ワイヤーに絡まりやすい代表格
- ほうれん草などの葉物野菜:装置の間に挟まりやすい
- 肉の繊維:特に鶏のささみなど繊維が長いものは要注意
着色しやすいもの
- カレー:ワイヤー矯正の場合、ブラケットに付けるゴムが黄色く変色する
- コーヒー・紅茶:マウスピース矯正の場合、マウスピースが着色する原因になる
ただし、着色は見た目の問題であって治療への悪影響はありません。ゴムの交換前日であればカレーを食べても問題ないなど、タイミングを工夫する方法もあります。
装置別の食事の注意点
ワイヤー矯正の場合
食事制限が最も多いのがワイヤー矯正です。硬いもの・くっつくものは装置の破損につながるため、特に気をつける必要があります。ブラケットが外れるとその分治療期間が延びることもあるため、注意して食事を楽しみましょう。
- 食べ物を小さく切ってから食べる
- 前歯で噛みちぎらない(奥歯を使って噛む)
- 食後はすぐに歯磨き(ワイヤーの間に食べカスが溜まりやすい)
- 外出先では携帯用の歯ブラシを持ち歩くと便利
マウスピース矯正の場合
マウスピース矯正の最大のメリットは食事制限がほぼないことです。食べるときはマウスピースを外すため、基本的には何でも食べられます。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 食事前に必ずマウスピースを外す(装着したまま食べると破損や変形の原因に)
- 食後は歯磨きをしてから装着し直す(虫歯リスクを防ぐ)
- マウスピース装着中は水以外の飲み物はNG(着色や虫歯のリスクが高まる)
- 外している時間は1日2〜4時間以内に抑える(装着時間が短いと効果が出にくい)

矯正中の栄養不足を防ぐコツ
痛みが原因で食事量が減ると、栄養不足に陥りやすくなります。特に以下の栄養素は意識的に摂るようにしましょう。
- タンパク質:歯や骨の修復に必要な栄養素。豆腐、卵、魚、ヨーグルトなどで補給する
- カルシウム:歯と骨の健康維持に不可欠。牛乳、ヨーグルト、小魚、チーズが手軽な供給源
- ビタミンC:歯茎の健康を保つために重要。柑橘類のジュースや、柔らかく茹でたブロッコリーで摂取できる
- ビタミンB群:口内炎の予防に効果的。レバー、バナナ、納豆に豊富に含まれている
食べるのがツラい日は、プロテインドリンクやスムージーで手軽に栄養補給するのがおすすめです。無理に噛んで食べるよりも、飲み物として栄養を摂るほうがストレスが少なく済みます。
矯正中の外食で気をつけること
矯正中は外食の際にも少し気を使う必要があります。以下のポイントを押さえておくと、外食先でも困りません。
- 携帯用の歯ブラシ・歯間ブラシを持ち歩く:食後すぐにケアできる環境を整えておく
- 柔らかいメニューを選ぶ:煮込み料理、パスタ、リゾットなどが無難
- マウスピースのケースを忘れない:ティッシュに包んで置くと捨ててしまう事故が多い
- 前歯でかぶりつく料理は避ける:ハンバーガーやサンドイッチはナイフで切ってから食べる
Q&Aコーナー
Q. 矯正中にお酒は飲んでも大丈夫?
ワイヤー矯正の場合は問題ありません。マウスピース矯正の場合は、マウスピースを外して飲む必要があります。ビールやワインなど色のついたお酒は、マウスピースを装着したまま飲むと着色の原因になるため注意してください。
Q. 痛くて何も食べられないときはどうすればいい?
流動食やゼリー飲料、プロテインドリンクなど、噛まずに摂取できるもので栄養を補いましょう。痛みがひどい場合は担当の歯科医師に相談して、鎮痛剤の使用についてアドバイスをもらうのも一つの方法です。
Q. 食後の歯磨きは毎回必要?
理想は毎食後の歯磨きです。特にワイヤー矯正の場合は、装置の間に食べカスが溜まりやすいため、丁寧な歯磨きが虫歯予防に直結します。外出先で歯磨きが難しい場合は、うがいだけでも行うようにしましょう。
Q. 矯正中の食事制限はいつまで続く?
ワイヤー矯正の場合は装置を外すまで(治療完了まで)食事制限が続きます。マウスピース矯正の場合は食事時に外せるため、治療中も基本的に食事制限はありません。
Q. 調整日の前日に好きなものを食べておくべき?
調整後は数日間痛みが出ることが多いため、調整日の前に好きなものを食べておくという方は実際に多いです。特に硬いものや噛みごたえのあるものは、調整前に楽しんでおくと精神的にも楽になります。

まとめ:工夫次第で矯正中も食事は楽しめる
矯正中の食事には確かに制限がありますが、食べ方と調理法を工夫すればほとんどのものは食べられます。
- 食べ物を小さく切る
- 柔らかく煮る・茹でる
- 前歯を使わず奥歯で噛む
- 痛いときはスムージーやスープで栄養補給
- タンパク質・カルシウム・ビタミンを意識的に摂る
この3つを意識するだけで、矯正中の食事は格段に楽になります。痛みがツラい時期は一時的なものですので、あまりストレスを溜めずに乗り越えていきましょう。
矯正中の生活については日本矯正歯科学会のサイトが参考になります。栄養バランスについては厚生労働省の栄養情報もチェックしてみてください。歯の健康全般は日本歯科医師会のサイトも参考になります。
※この記事は記事執筆時点の情報に基づいて作成しています。矯正装置の種類によって食事の注意点は異なりますので、担当の矯正歯科医の指示に従ってください。

