「マウスピース矯正を調べていたら、クリアコレクトという名前が出てきた」「歯科医院のサイトに書いてあったけれど、どういうものかよくわからない」――マウスピース矯正の選択肢を整理していると、そんな場面に出くわすことがあります。
クリアコレクト(ClearCorrect)は、スイスに本社を置くストローマングループが提供する透明なアライナー(マウスピース)を使った矯正システムです。日本ではストローマン・ジャパンが取り扱っており、導入している歯科医院で治療を受ける形になります。
この記事では、クリアコレクトがどういう仕組みのシステムなのか、費用がどのように決まるのか、検討する前に押さえておきたい点は何かを整理しました。個人の感想を並べるのではなく、判断のための材料そのものをまとめる方針で書いています。

クリアコレクトとはどういうシステムか
クリアコレクトは、2006年にアメリカで生まれた透明アライナーによる矯正システムです。2017年以降はストローマングループの製品として展開されており、日本ではストローマン・ジャパンが取り扱っています。
ストローマングループは歯科インプラントを中心に世界各国で事業を展開しているメーカーです。ただし、ここで注意しておきたいのはメーカーの規模と、あなたの治療結果は別の話だということ。実際に治療計画を立て、歯を動かしていくのは担当する歯科医師です。メーカー名だけで判断材料にするのではなく、装置の特性と担当医の方針の両方を見る必要があります。
クリアコレクトの製品説明では、アライナーに三層構造のシート素材(ClearQuartz)を採用していることが特徴として挙げられています。素材の違いは装着感や透明感、力のかかり方に関わる部分ですが、実際にどう感じるかは個人差が大きく、装置の種類だけで快適さが決まるわけではありません。
クリアコレクトは「歯科医院が導入して使うシステム」です。そのため、費用も治療計画も、取り扱っている歯科医院ごとに決まります。ブランド単位ではなく、医院単位で比べる意識を持っておくと検討が進めやすくなります。
マウスピース矯正中は、装置と歯を清潔に保つケア用品があると便利です。
費用はどのように決まるのか
統一価格は公表されていない
クリアコレクトについて調べる際、多くの方が最初に知りたくなるのが費用だと思います。ここは正直に書いておきたいのですが、メーカーが患者向けの統一価格を公表しているわけではありません。日本での取り扱いはストローマン・ジャパンを通じて歯科医院に提供される形で、患者が支払う金額は各医院が設定します。
そのため、ネット上で見かける「相場は◯万円」といった数字は、あくまで個別の医院の掲載額か、記事の書き手による推測です。この記事でも、確認できていない金額は書きません。実際の費用は、検討している医院の料金ページと、カウンセリング時の見積もりで確認してください。
提供オプションによって含まれるものが変わる
クリアコレクトには、歯科医師が選択できる複数の提供オプションが用意されています。メーカーのサポート情報では「フレックス」「アンリミテッド」といった価格オプションの区分が案内されています。
この区分は、ざっくり言えばアライナーを必要な分だけ都度発注していく方式か、必要なだけ作り直せる包括的な方式かという違いです。どちらを採用しているかによって、治療途中で修正が必要になったときの追加費用の扱いが変わってきます。
- 治療計画に含まれるアライナーの枚数やセット数
- 途中で計画を修正した場合の追加製作の扱い
- 保定装置(リテーナー)が含まれるかどうか
- 通院ごとの調整料が別途かかるか
このあたりは医院によって説明の仕方が異なるので、見積もりを受け取ったら「この金額に何が含まれていて、何が別料金なのか」を一つずつ確認しておくと安心です。ワイヤー矯正も含めて選択肢を比べたい方は、以下の記事も参考になります。

マウスピース矯正は基本的に保険適用外の自費診療です。総額だけでなく、支払い方法(一括・分割・デンタルローン)と、途中で中断した場合の返金条件も契約前に確認しておきましょう。
適応の考え方と、対応が難しいケース
マウスピース矯正を検討するときに、費用と同じくらい重要なのが「自分の歯並びが対象になるか」です。透明アライナーによる矯正は幅広い症例で用いられていますが、すべての歯並びに使えるわけではありません。
一般に、次のようなケースはマウスピース単独での対応が難しく、ワイヤー矯正や外科的な処置を含めた検討が必要になることがあります。
- あごの骨格そのものにずれの原因があるケース
- 歯を大きく移動させる必要があるケース
- 抜歯を伴い、隙間を大きく閉じる必要があるケース
- 歯周病や未処置のむし歯があり、先に治療が必要な状態
- 永久歯が生え揃っていない年齢の場合
どの装置が適しているかは、レントゲンや3Dスキャンを含む精密検査を受けたうえで、歯科医師が個別に判断する領域です。ネットの情報で自己判断せず、「マウスピースでは難しい」と言われる可能性も想定して相談に行くのが現実的だと思います。
その際、クリアコレクト以外の選択肢についてもあわせて説明してもらえるかどうかは、医院を選ぶうえでの一つの目安になります。他のマウスピース矯正システムの仕組みを先に知っておきたい方は、以下の記事もどうぞ。





取り扱い医院を探す段階で確認しておきたいこと
クリアコレクトは導入している歯科医院で受けるシステムなので、まずは通える範囲に取り扱い医院があるかを調べるところから始まります。その際、次の点を一緒に確認しておくと後の判断が楽になります。
1. 取り扱い実績と担当医の専門性
マウスピース矯正は治療計画の設計が結果を左右します。担当する歯科医師が矯正治療をどれくらい手がけているか、クリアコレクトでの症例経験があるかは、遠慮せず聞いて構いません。
2. 通院の頻度と方法
アライナーの受け取りや経過確認のために定期的な通院が必要です。何ヶ月に一度くらいのペースなのか、仕事や学校のスケジュールと折り合いがつくかを確認しておきましょう。
3. トラブル時の対応
アライナーを紛失した、破損した、装着時間が守れなかった――こうしたことは実際に起こります。そのときの費用と対応がどうなるのかを、契約前に聞いておくと安心です。
外したアライナーの紛失や破損を防ぐには、持ち運び用のケースを用意しておくと便利です。
4. 保定期間の計画
歯を動かす期間が終わったあと、リテーナーで位置を保つ期間が続きます。リテーナーの費用が治療費に含まれるのか、どれくらいの期間使うのかを最初に確認しておきましょう。
リテーナーは長い期間毎日使うものなので、清潔に保つための洗浄剤があると手入れが楽になります。
治療を始めるまでの一般的な流れ
- 取り扱い医院を探す:通える範囲に導入医院があるかを確認します
- カウンセリング・精密検査:レントゲンや3Dスキャンで口の状態を確認します
- 治療計画の作成と説明:3Dシミュレーションで移動の見通しを共有してもらいます
- 見積もりの確認・契約:総額と含まれる範囲を書面で確認します
- アライナーの受け取り・装着開始:指示された装着時間を守って進めます
- 定期的な経過確認:計画とのずれがないか歯科医師がチェックします
- 保定期間へ:リテーナーで動かした位置を保ちます
費用を抑えた選択肢も並べて検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。



よくある質問
Q. 矯正期間はどれくらいかかりますか?
歯並びの状態や動かす量によって大きく変わるため、一律の目安を示すことはできません。精密検査後に作成される治療計画で、想定されるステップ数と期間の見通しが示されます。その数字で判断するのが確実です。
Q. 痛みはありますか?
新しいアライナーに交換した直後は締め付け感を覚えることがあります。感じ方には個人差が大きく、装置の種類だけで決まるものではありません。つらいと感じたときに相談できる体制があるかを、事前に確認しておくとよいでしょう。
Q. 食事制限はありますか?
アライナーは食事の際に外せるため、食べ物そのものの制限は基本的にありません。ただし飲食後は歯を磨いてから付け直す必要があり、外している時間が長くなると計画通りに進まない要因になります。
Q. 治療の途中で別のシステムに切り替えられますか?
治療計画は装置ごとに設計されるため、途中での切り替えは新たな計画の立て直しが前提になります。費用の扱いも医院ごとに異なるので、始める前にどのシステムで進めるかを納得したうえで決めることが大切です。
Q. 保険は使えますか?
マウスピース矯正は基本的に保険適用外の自費診療です。ただし治療目的と認められる歯列矯正は医療費控除の対象になる可能性があるため、領収書は保管しておきましょう。判断に迷う場合は税務署や税理士に確認してください。
通院のたびに受け取る領収書は、1冊のファイルにまとめておくと申告のときに探す手間が省けます。


まとめ:装置の特性と医院の条件を分けて考える
クリアコレクトについて整理すると、押さえておきたいのは次の点です。
- ストローマングループが提供する透明アライナーの矯正システムで、日本ではストローマン・ジャパンが取り扱っている
- 三層構造のシート素材を採用していると製品説明で案内されている
- 患者向けの統一価格は公表されておらず、費用は取り扱い医院ごとに決まる
- 提供オプションによって、追加製作やリテーナーの扱いが変わる
- 骨格に起因するケースなど、マウスピース単独では対応が難しい歯並びがある
装置そのものの特性と、実際に通う医院の条件(費用・通院頻度・担当医の経験・トラブル時の対応)は、分けて考えると判断しやすくなります。そして最終的には、精密検査を受けて自分の口の状態と治療計画を見せてもらったうえで決めるのが確実です。気になる医院が見つかったら、まずはカウンセリングで直接確かめてみてください。
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マウスピース矯正全般の情報は日本矯正歯科学会のサイトが参考になります。ストローマングループの情報はストローマン公式サイトで確認できます。日本歯科医師会の情報もあわせてチェックしてみてください。
※本記事は2026年8月時点で確認できた公開情報にもとづきます。製品の仕様・提供内容・取り扱い状況は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトおよび取り扱い歯科医院でご確認ください。治療の適否は歯科医師の診断によります。


